■目次
インプラントと総入れ歯の中間に位置する、ミニインプラント
ミニインプラントとは、下顎専用のインプラントで、総入れ歯を安定させるための装置です。通常の人工歯を接続して歯を補うインプラントとは異なります。
インプラントには多くのメリットがありますが、例えば総入れ歯の方がインプラントを希望なさる場合、治療が長期間にわたるうえに治療費も高額になってしまいます。
「そこまで大変な思いをしてまでインプラント治療をするくらいなら入れ歯のままでも…」と、躊躇なさる方に『ミニインプラント』という方法があります。
ミニインプラントとは、通常のインプラントよりもずっと小さなインプラント(直径1.8mmのチタン製のネジ)です。ミニインプラントを4本、下顎の骨に埋め込み、その上に入れ歯を装着することによって入れ歯を安定させることができます。
通常のインプラント治療とは異なり入れ歯を使用し、入れ歯を取り外しての清掃も必要ですが、公的医療保険を適用して作製した入れ歯を使うよりも入れ歯が安定するため快適に食事ができることができます。
また、費用がインプラント治療よりも安価なうえ、手術も比較的簡単な方法で済みます。
メスで歯ぐきを切開する必要もないため、出血もほとんどありません。施術を受けたその日から食事が可能です。
ミニインプラントはこんな方におすすめ!
・入れ歯が外れやすくてストレスを感じる
・入れ歯が動いてしまって噛みにくい、浮きやすい
・入れ歯のため硬いものが食べられない
・入れ歯が歯ぐきに当たって痛い
・インプラントは費用が高額で受けられない
ミニインプラントの特徴
メリット
・インプラントよりも安価に治療が受けられる
(ミニインプラントの治療費のほかに入れ歯の費用が別途かかる場合があります。)
・骨の量が少なくても治療が受けられる可能性が高い
・ミニインプラントを埋め込む手術は簡単で短時間
・歯ぐきを切ることがないため出血が少ない
・治療後麻酔が切れたらすぐに食事が可能
・入れ歯が固定され安定するため食事が取りやすくなる
・通常の入れ歯に比べ、硬いものやくっつきやすい食べ物も食べることができる
・入れ歯が取り外せるため清潔を保ちやすい
デメリット
・入れ歯を外して清掃する必要性がある
・下顎のみ適用(上顎は原則行われない)
・噛み合わせが安定しない方には不向き
・骨の状態によっては即日入れ歯をいれることができない
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。