■目次
インプラントを撤去する理由はなんですか?
10ヶ月前に、インプラントの手術を受け、しばらく仮歯にする段階になってから、歯の骨が溶けているという事で、インプラントは、中止、撤去すると医師に言われました。
理由は、あなたの体質の問題、骨の代謝が悪いというものでした。
手術の前は、CT検査もし、万全な体制で臨んだのに 駄目だった理由はほんの1分の説明でした。
これまでに費やした日数 通院の度に休暇もしくは早退し、莫大な費用をかけたのもすべて無駄になり、さらに、今後、撤去のための手術費用まで負担しなければなりません。
こんな不条理なことがあっていいものでしょうか?
お気の毒様と医師は言われましたが、もっと親切な対応と納得のゆく説明がほしいと思います。入れ歯が嫌で自費で高くてもインプラントにしようとした望みは打ち砕かれました。
なぜ骨が溶けるのか、溶けるのを防ぐ方法はないのか是非とも教えてください。
先生からのメッセージ
インプラント周囲の骨が溶ける原因はいくつかあります。
まずインプラント周囲に細菌が感染して化膿した場合です。口の中にはどなたでも細菌がたくさん存在しています。異物であるインプラントを埋め込む際には細菌感染に対して万全の配慮がなされますが、それでも100%防ぐことができるとは言い切れないのが実情です。
次に、インプラントを埋め込む際にドリルの摩擦熱で骨に火傷を生じた場合が考えられます。特に骨が硬い場合に起こる頻度が高いといわれています。
また、インプラントを埋め込む部分の骨の血流が悪い場合、インプラントと骨との結合がうまくいかず、骨が溶ける場合があります。
体質的に血流が悪い場合もあるでしょうし、喫煙、糖尿病など後天的に悪影響を受けた場合も危険性は増します。
さらに、埋め込んだインプラントがしっかり周囲の骨と結合する前に、義歯などで揺さぶりの力を受けた場合骨が溶けることがあります。
このように、インプラントを成功させるためにはいくつもの関門を乗り越えねばならず、完璧な条件で治療を進められることはむしろ稀であると思われます。
どのドクターでも100%の結果を目指しているはずですが、残念ながら数%の失敗が起こっていることは事実です。
ただし、すべてのケースで「一回失敗したからインプラントはもう無理だ」、というわけではありません。体質的な問題がある場合にはリスクが高くなるかもしれませんが、失敗の原因を分析して「再チャレンジ」することも可能です。