インプラント治療後のメンテナンスの内容と費用について

定期的にインプラントのお手入れを行うことで、長く安定してインプラントを使い続けることが出来ます。インプラントのメンテナンスにはいくらかかるのでしょうか?毎日自分で行うインプラントのケアだけではメンテナンスは不十分です。定期的に歯医者さんでインプラントのメンテナンスを受ける必要があります。きちんとしたメンテナンスを行うことで、より良いお口の環境を保ち、インプラントを長持ちさせることができます。

更新日:2021/12/02

■目次

  1. 定期的に通うメンテナンス
  2. メンテナンスの主な内容

定期的に通うメンテナンス

インプラント治療を行った後は、歯科で定期的なメンテナンスを継続して受けることが大切です。定期的にメンテナンスを受けることで、インプラントを安定した状態で使い続けられるとされています。
インプラント治療を検討の際は、治療にかかる費用だけではなく、治療後に受けるメンテナンスの費用も考慮して治療を開始しましょう。
お口全体のメンテナンスを30分~1時間した場合の費用の相場は、3,000~10,000円といわれています。

メンテナンスの主な内容

歯科でのメンテナンスは、主に下記のようなことを行います。

【お口の状態の確認】
虫歯や歯周病、インプラント周囲炎や噛み合わせ、粘膜の状態などお口の中全体を確認します。
また、歯石や歯垢(プラーク)の付着量や部位を確認し、必要な処置を計画します。

インプラントが問題なければ、お口の中のほかの部分に虫歯や歯周病などがあっても問題ないと考えてしまいがちですが、お口の中は繋がっており、特に歯周病原菌はインプラントに影響を及ぼすこともあります。お口の中全体が良好な状態であることが大切です。

【レントゲン撮影】
インプラント治療前に撮影したものと同じ規格でレントゲン撮影を行い、インプラント部位やお口の中の経時的変化を比較します。
その際は、「パノラマ(お口の中全体を撮影するレントゲン)」や「デンタル(お口の中の部分的なレントゲン)」、「CT(3次元X線画像)」で確認することが多いようです。
また、レントゲンを撮ることで、自覚症状のない段階でのインプラント周りの炎症や骨の吸収、歯周病の進行などを確認します。

費用は、メンテナンス代に含まれるところと、別途レントゲン代が必要となるところがあります。これについても、事前に確認しておきましょう。
(レントゲン代が別途かかる場合の費用例は、3,000~10,000円です。)

【その他】 
上記の検査結果によって、噛み合わせの調整や歯のクリーニング、ブラッシング指導(歯磨き指導)などを受けることが一般的です。
自分自身の歯やインプラントのクリーニングを受けることによって安定した状態を保てる他、患者さんに適した歯磨き指導を受けることで日々の歯磨きの効果を上昇させ、お口の中を健康に保てるようにします。

インプラント治療後の定期的な歯医者さんへの通院は1ヵ月から3ヵ月に1度程度です。
歯医者さんに行ってお口の中をきれいにしたあとも、その日のうちにお口の中では菌が繁殖していきます。歯医者さんに行く日だけではなく、毎日のご自身での歯磨きを行うことがお口のトラブルの回避につながります。


お口やお身体の状態が健康であれば、定期的なメンテナンスでお口のトラブルを未然に防ぐことができ、健康な状態を保つことができるとされています。
しかし、インプラント治療以外の歯にトラブルを抱えていたり、糖尿病で歯茎が腫れやすいなどの不安要素があれば、1に1度の通院が必要となる場合もあります。
お口やお身体の状態によって、定期なメンテナンスが必要な頻度は変わります。歯科医師の指示に従って受診しましょう。


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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。