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メインテナンスは重要!
インプラント治療を行った後は、最低でも半年に一度、メインテナンスに通う必要があります。メインテナンスを怠ると、歯ぐきなどに炎症が起き、インプラント周囲炎になる恐れがあります。インプラント周囲炎が進行すると、インプラントが抜け落ちる場合もありますので、インプラントを長く使うためにも、自宅でのブラッシングだけではなく、定期的な歯科医院でのメインテナンスにも通いましょう。
>>メインテナンスを怠るとどうなるの?
歯科医院でのメインテナンスはどんなことをするの?
歯科医院でのメインテナンスは、主に下記のようなことを行います。
1. レントゲン撮影
レントゲンを撮り、インプラント周囲の骨の状態や、天然歯(自分の歯)や周囲の骨の状態を確認します。
2. 噛み合わせのチェック
色の付いた紙を噛んで、歯全体の噛み合わせのバランスを確認し、なにか不具合があれば、人工の歯を削って調整します。
3. お口全体の歯や歯茎のチェック
歯・歯茎・粘膜の状態を確認し、汚れや炎症がないか調べます。また、インプラントに破損箇所がないか、人工の歯(被せ物)を外して状態を確認することもあります。
4. 歯のクリーニング
器械を使って、歯に付いた汚れ(歯垢や歯石や食べ物の色素など)を落とし、インプラント周囲炎や歯周病を防ぎます。
5. ブラッシング指導・食生活指導
汚れが多く付いているところがあれば、磨き方や全身状態や食生活に問題がないか調査し、歯科医師や歯科衛生士より改善方法の提案を受け、日常生活に取り入れられるかどうかを相談します。
メインテナンスに行くタイミングは?
最低でも、1年に1~2回はメインテナンスを受けておくことが望ましいでしょう。お口と身体の状態によっては、1~2ヶ月に一度の検診が必要な方もいますので、詳しくは担当の歯科医とご相談ください。歯科医院によっては、定期検診が必要な時期に、葉書で案内してくれるところがあります。検診が必要な時期に送られてくるものですので、活用しましょう。歯科医院より案内が無いかたは、誕生日や何かの記念日の月に検診することを、決めてみてはいかがでしょうか。
このようにインプラント治療後にも、定期的に歯科医院で診てもらうことにより、お口や身体の状態の変化も含めて、患者様に合ったメインテナンスをしていくことが可能になります。そのため、インプラントを長く使い続けることができるだけでなく、インプラントの部品を交換することも少なくなるでしょう。継続してメインテナンスを受け、お口と身体の状態を安定させましょう。
インプラントの保証制度
メインテナンスは、インプラント治療を受けた医院で受けることをお勧め致します。治療を受けた医院以外で、メインテナンスを受けた場合、“保証制度”の対象から外れてしまう場合があります。“保証制度”とは、インプラントに問題が起きた際に、再修復・再手術の費用を、医院または医院と提携している保証会社が負担を約束するものです。保証制度のある医院で治療を受けたかたは、保証内容について確認をしておきましょう。
>>インプラントの保証制度
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。