■目次
すべての歯を失ったら？
「自分の歯をすべて失った方」や「すべての残っている自分の歯を残すことが難しい方」がインプラント治療を行う場合、複数のインプラント治療の方法があります。
また、インプラント治療はほとんどが公的医療保険の適用外のため、全額自己負担（自由診療）となります。
治療費の負担が大きいため、なるべく費用を抑えてインプラント治療を受けたいと考える方も多いのではないでしょうか。
インプラント治療の方法別にそれぞれの治療費用の相場をご紹介しますので参考にしてみてください。
≫インプラントの値段は？費用相場から保険まで治療費についてまとめました！
従来のインプラント治療
失った自分の歯の数と同じ本数のインプラントを埋め込み、人工歯を支える方法
費用例…約2,800,000～4,000,000円程度
インプラントオーバーデンチャー（IOD）治療
お口の状態によって2～4本のインプラントを埋め込み、患者さん自身で取り外しができるタイプの総入れ歯を安定させる方法。
インプラントと入れ歯に磁石を付けて、より安定力を高める方法もあります。
費用例…約700,000～1,500,000円
All-on-4治療
バランスよく4本のインプラントを埋め込み、最大12本分の連結した人工歯を支える方法
費用例…1,895,000～2,400,000円程度
※費用例の値段はインプラントを埋め込んだ本数と装着する人工歯、インプラントを埋め込む手術費用のみの平均費用です。
この他に、検査や診断料、骨造成や静脈内鎮静法、抜歯や薬代などの費用と、インプラント治療後の定期的なメンテナンスの費用がかかります。また、人工歯、入れ歯に使用する素材によって費用は異なります。
インプラント治療の費用は、お口の状態や希望する治療内容、使用する素材によって大きく異なります。
インプラント治療は自由診療のため、料金や表記の仕方も歯科医院によって異なります。料金の内訳や治療内容が分かりにくい場合はカウンセリングを受ける際に確認するとよいでしょう。
■ 従来の治療
従来のインプラント治療は埋め込むインプラントの本数が多いため、費用がかかります。また、外科手術の範囲が広く身体への負担も大きいため、患者さんによっては負担に耐えきれず治療を断念せざるを得ないこともありました。
■ インプラントオーバーデンチャー治療
オーバーデンチャー治療は、インプラントを埋め込む本数が少ないため、費用を抑えることができます。また、入れ歯が患者さん自身で取り外しができるので清掃の手入れがしやすいというメリットがあります。ですが、入れ歯の付け外しをすることに抵抗がある方には受け入れにくい治療方法です。
■All-on-4（オールオンフォー）治療
All-on-4治療は、従来のインプラント治療よりも、インプラントを埋め込む本数が4本と少なく、身体にかかる負担と費用を抑えることができます。
また、奥歯の顎の骨に比べて顎の骨が減りにくい「顎の前方」にインプラントを埋め込むため、奥歯の顎の骨が足りない場合に行う
骨移植（ボーングラフト）を行わずにインプラントを埋め込むことができる可能性が高くなっています。
＞＞施術する部位による注意点
All-on-4治療を行う歯科医院は限られます
All-on-4治療は、技術の要求される治療のため、一部の歯科医院でしか行われていません。かかりつけの歯科医院がインプラント治療またはAll-on-4治療を行っていない場合、信頼のおける歯科医師を紹介してもらえる場合があります。インプラント治療をお考えの方は一度かかりつけの歯科医院にご相談されることをお勧めします。
なお、お口や身体の状態によっては、インプラント治療が受けられない場合があります。
＞＞インプラント治療が受けられない可能性のある方
定期検診は忘れずに
インプラント治療後は、インプラントを安定した状態で使い続けるために、1年に2～3回の定期検診が必要です。口腔内の状態によっては、毎月通院することが必要な場合もあるでしょう。
インプラント治療を開始する前に、治療にかかる費用だけではなく、治療後に受けるメンテナンスの費用についても確認しましょう。
なお、お口全体のメンテナンスを1回（30分～1時間）行った場合の平均費用は、約3,000～10,000円です。
＞＞歯科医院で行うメインテナンスとは？
*上記の内容は患者さんの口腔内の状態により大きく異なることがあります。
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。