歯科の症例写真を見るときの注意!5つのチェックポイント

歯科医院選びで迷われている方のなかには「症例写真」を判断材料にしようと考えている方もいらっしゃるでしょう。しかしながら、症例写真をどのような基準で見たら良いかがわからないと、判断のしようがありません。 本記事では、歯科の症例写真を見るときのポイントを解説します。また、歯科医院選びにおける症例写真以外のチェックポイントも紹介しますので、ぜひご参考になさってください。

更新日:2024/06/20

■目次

  1. 歯科の症例写真を見る5つのポイント
  2. ①症例写真で治療経過がわかるか
  3. ②症例写真の担当医は誰か
  4. ③症例写真のお口の状態が自身のお口の状態に似ているか
  5. ④治療後の歯の大きさや形、色はどうか
  6. ⑤治療後の歯茎のラインが不自然になっていないか
  7. 歯科医院を選ぶ7つのポイント
  8. ①検査や治療について丁寧に説明してくれるか
  9. ②通いやすい距離にあるか
  10. ③相談しやすい雰囲気の歯科医師か
  11. ④設備が充実しているか
  12. ⑤徹底した衛生管理がされているか
  13. ⑥スタッフは気持ちの良い対応をしてくれるか
  14. ⑦口コミ・評判はどうか
  15. まとめ

歯科の症例写真を見る5つのポイント

歯科の症例写真を見る際は、以下の5つのポイントをチェックしましょう。

①症例写真で治療経過がわかるか

治療前後の症例写真(ビフォーアフター)が経過を知る上で重要です。治療中の症例写真もあるとより良いと言えるでしょう。

治療後の症例写真しか歯科医院のホームページに掲載されていない場合、本当に自分が受けたい治療の効果があるかを正確に判断できません。

②症例写真の担当医は誰か

歯科医師や歯科医院選びで迷っている場合、症例(実績)が多い歯科医師を選ぶのも良いでしょう。症例数が多ければ、治療経験が豊富である可能性が高いです。一つの歯科医院内に複数の歯科医師が在籍する場合、症例の担当医が誰かという点もチェックしましょう。

公益社団法人日本口腔インプラント学会が発表している調査結果によると、インプラントの歯科医師の選択基準として「実績がある歯科医」が45.0%です。


参考:公益社団法人日本口腔インプラント学会

③症例写真のお口の状態が自身のお口の状態に似ているか

症例写真のお口がご自身のお口の状態と全く似ていない場合、同じ治療を受けても症例写真のような結果にならない可能性があります。

自身のお口の状態と似ている症例写真であれば、治療後の状態をイメージできますので、似た症例写真を掲載している歯科医院で話を聞くと良いでしょう。掲載されていなくても同じような症例を治療をしている可能性はあります。

④治療後の歯の大きさや形、色はどうか

治療後の写真が「自分のなりたいと思えるお口の状態」になっているか確認しましょう。歯の大きさ・形・色などで気になる点がある場合、治療を受けても変わらない可能性があります。

⑤治療後の歯茎のラインが不自然になっていないか

インプラント治療の症例写真を見る場合などは、インプラント周りの歯茎の位置や高さが不自然でないかを確認しましょう。歯と歯茎の境目のラインを見て、もし治療した歯の部分だけガタついている場合には、きれいな歯並びに見えない可能性があります。

歯科医院を選ぶ7つのポイント

適切な症例写真が掲載されている歯科医院のなかから、最終的にどの歯科医院にするかを決める際には、以下7つのポイントをチェックしてみてください。

①検査や治療について丁寧に説明してくれるか

検査の目的や内容、治療法やリスク、痛みに関することなどを丁寧に説明してくれる歯科医院を選ぶことが大切です。わかりやすい言葉で逐一説明してくれると不安が和らぎ、より安心して治療を受けることができるでしょう。

②通いやすい距離にあるか

歯科医院が自宅から近ければ、治療やメンテナンスを継続しやすくなります。

独立行政法人国民生活センターの資料によると、治療する歯科医療機関を選んだ理由上位として「医療機関が自宅に近い」が27.8%で2番目に多いという結果が出ています。

ただし、ライフスタイルによっては職場や学校から近いほうが通いやすい場合もあるため無理なく通える歯科医院を選ぶことが大切です。

参考:独立行政法人国民生活センター

③相談しやすい雰囲気の歯科医師か

歯科医院選びですが、歯科医師の技量だけでなく人柄も重要です。相談しやすい雰囲気かどうかも重視しましょう。何でも気軽に相談できないと、治療後のイメージとは違う治療結果となって後悔する可能性があります。信頼関係を築けるような相談しやすい歯科医師を選ぶようにしましょう。

④設備が充実しているか

設備が充実していない歯科医院の場合、治療の選択肢が狭まりやすいため注意が必要です。例えば、インプラント治療においては、CT検査で顎骨の形や神経・血管の位置などを把握しておくことが安全な治療につながります。

⑤徹底した衛生管理がされているか

衛生管理が不十分な場合、歯科治療時に感染リスクが高まります。歯科器具は全て滅菌する、コップやエプロンは使い捨てにするなどの徹底した衛生管理を行うことは、医療機関としての前提条件といえます。

⑥スタッフは気持ちの良い対応をしてくれるか

歯科医師・歯科衛生士・受付スタッフなどの対応が悪いと、歯科医院に通うことが嫌になる場合があります。インプラント治療であれば長期にわたって治療するケースが多く、個人差はあるものの数ヶ月~1年程度通うことになります。スタッフの対応の良さは必ずチェックするようにしましょう。

⑦口コミ・評判はどうか

歯科医院の公式サイトなどには、良い点ばかり書かれている場合があります。歯科医院の実態を把握するためには、ネット上の口コミ・評判を見るのも大事です。ただし、偏った意見や真偽がわからない投稿も実際にあるため、複数の口コミ・評判を参考にしましょう。

まとめ

歯科医院選びで失敗しないためには、症例写真の見方などのポイントをおさえることが重要です。症例写真を見る際には「治療経過がわかる症例写真があるか」「症例写真の担当医は誰か」などを確認しましょう。

また、良い歯科医院を選ぶためには、症例写真以外にもポイントがあります。「検査や治療について丁寧に説明してくれるか」「相談しやすい雰囲気か」「設備が充実しているか」などもチェックしましょう。

この記事で、歯科医院選びに対するあなたの不安が少しでも解消されたら幸いです。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開