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インプラントの構造と「プラットフォームスイッチング」
インプラントを埋め込んだ後に、骨が吸収しにくいインプラントの構造として「プラットフォームスイッチング」があります。
「プラットフォームスイッチング」について詳しく説明する前に、まずは一般的なインプラントの構造についてご説明いたします。
インプラントの構造
インプラントは、右の図のように、大きく分けて3つパーツから構成されています。
1.フィクスチャー(インプラント本体・歯根)
2.アバットメント(人工の歯の土台・連結部分)
3.上部構造(人工の歯)
そして、インプラントには、土台となるアバットメントと、歯根となるフィクスチャ―の接合部分が存在します。
この、接合部のことを「プラットフォーム」といいます。
プラットフォームスイッチングとは
もともと、ある研究者がフィクスチャーにアバットメントを付けるとき、間違って違うサイズのパーツを付けてしまったことで偶然発見されたシステムです。
その研究者は、間違ったアバットメントを使ったのに気がつかず、数年後にレントゲンを撮影してみところ、驚いたことに、正しいアバットメントを付けたインプラントは骨が吸収していたのに関わらず、間違った治療をしたインプラントは骨吸収していなかったことが始まりです。
それから、研究開発が進み、現在のプラットホームスイッチングの形になってきました。
プラットフォームスイッチングは、フィクスチャーとアバットメントの連結部で、アバットメントの外形がフィクスチャ―より一回り小さくなっているシステムのことをいいます。
分かりやすく言うと上部構造がピッタリ接合していないで多少ズレていて、境界線が細くくびれているのが特徴です。
上の図では、右側が通常のインプラントで、左側がプラットフォームスイッチングのインプラントです。
そのくびれている部分で、噛んだときの振動が吸収され、インプラントと骨に直接的な振動が伝わらないことにより、骨吸収が起きにくくなっているのです。
また、このくびれ部分が粘膜で覆われるため、歯肉の厚みが増え、その結果、血流量も増えて、細菌に対する粘膜の抵抗力が増えるという利点もあります。