知りたい!インプラントの被せ物

インプラントの被せ物(上部構造)の種類は様々あります。あなたに合った被せ物を見つけるヒントにしてください。

更新日:2021/12/02

■目次

  1. 上部構造は何で作られているの?
  2. 上部構造が金属の場合
  3. 上部構造がハイブリッドセラミックスの場合
  4. 上部構造がメタルボンド(セラモメタル、陶材焼付け鋳造冠とも呼ばれる)の場合
  5. 上部構造がオールセラミックスの場合
  6. 上部構造がジルコニアの場合
  7. 記事監修

上部構造は何で作られているの?

上部構造は何で作られているの?

インプラントで重要なのは、インプラントを歯ぐきに埋め入れる手術だけではありません。歯の部分にあたる上部構造も大切です。上部構造の素材の違いを解説します。

上部構造が金属の場合

・耐久性:★★★☆☆
・見た目:★☆☆☆☆
・生体親和性:★☆☆☆☆

■特徴
≪メリット≫
金属製の被せ物は、世間一般で言う銀歯です。
割れてしまうリスクが金属であるため少なく、長持ちです。他のものと比べて費用が抑えられます。
≪デメリット≫
金属の被せ物は自然の歯の見た目とまったく異なるため、口元の美しさを求める場合には適していません。また、金属アレルギーを引き起こすことがあります。

上部構造がハイブリッドセラミックスの場合

・耐久性:★★★★☆
・見た目:★★★★☆
・生体親和性:★★★★☆

■特徴
≪メリット≫
ハイブリッドセラミックスの被せ物は、セラミック(陶器)とレジン(プラスチック)を混合した比較的新しい素材でできており、自然な歯に近い外見をしています。見た目が自然な被せ物としては、お求めやすい価格帯である場合が多いです。

≪デメリット≫
プラスチックが含まれているため、時間の経過とともに変色するデメリットがあります。耐久性もセラミックに比べると劣ります。

上部構造がメタルボンド(セラモメタル、陶材焼付け鋳造冠とも呼ばれる)の場合

・耐久性:★★★★★
・見た目:★★★★☆
・生体親和性:★★★★☆

■特徴
≪メリット≫
メタルボンドの被せ物は、中が金属で外は陶材(ポーセレン、セラミックス)を、七宝焼(しっぽうや)きのように焼き付けて作られています。
見た目が自然の歯に近く、しかも変色しにくい特徴があります。また、強度も強いのでよく使用されています。
≪デメリット≫
中の金属の種類によっては、金属アレルギーを引き起こすことがあります。また、価格は比較的高い場合が多いようです。

上部構造がオールセラミックスの場合

・耐久性:★★★★☆
・見た目:★★★★★
・生体親和性:★★★★★

■特徴
≪メリット≫
全てがセラミックでできた被せ物は、より天然の歯に近い色を出せると言われています。
セラミックは金属ではないので、金属を原因とするアレルギーを引き起こす心配はないでしょう。また、摩耗することが少ないという点で耐久性に優れています。
≪デメリット≫
摩耗や咬耗することは少ないものの、割れやすいと言われています。また、価格は比較的高額の場合が多いようです。

上部構造がジルコニアの場合

・耐久性:★★★★★
・見た目:★★★★★
・生体親和性:★★★★★

■特徴
≪メリット≫
自然な歯の色を再現できることや、歯肉と馴染んで見えるという点において審美性に優れています。また、金属を使わないため金属アレルギーの心配もありません。

≪デメリット≫
価格が比較的高額である場合が多いようです。また、非常に硬いことがデメリットです(内部にジルコニア、表面にセラミックを使うことが多いです)

色々な素材でできた上部構造がありますが、価格が高ければ良い、見た目が白ければ良い、とは一概には言い切れません。どの素材がご自身のお口の状態に適しているのか、先生と相談をして選びましょう。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

【PR】フィリップス ソニッケアー
歯科専門家使用率NO.1

フィリップス・ジャパン

あわせて読みたい記事

メディア運用会社について

メディカルネット

株式会社メディカルネット(東証グロース上場)は、より良い歯科医療環境の実現を目指し、インターネットを活用したサービスの提供にとどまらず、歯科医療を取り巻く全ての需要に対して課題解決を行っています。

当サイト「インプラントネット」を通して生活者に有益な医療情報を歯科治療の「理解」と「普及」をテーマに、自分に最適な歯科医院についての情報や、歯の基礎知識、インプラントなどの専門治療の説明など、生活者にとって有益な情報の提供を目指しています。

インプラント歯科医院を探すなら「インプラントネット」

インプラント治療を行なっている歯科医院を、全国から簡単に検索できます。お近くのインプラント歯科医院をお探しの場合にもぜひご活用ください。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。