■目次
18~20歳以下の方
18~20歳以下の方はインプラント治療を避けることが一般的です。親知らず以外の永久歯が生え揃うのは16歳前後ですが、その後も顎の骨は成長し続けていることが多くあります。成長が止まる時期は個人差があるため、歯科医師の診断を受けて、治療の開始時期を相談しておくことが必要です。
【インプラント治療ができない理由】
インプラント治療は、歯根の代わりとなるインプラント体を顎の骨に埋め入れて、機能や見た目を回復させる方法です。埋め入れたインプラント体が動くことはほとんどありませんので、顎の骨が成長している時に治療を開始すると、歯並びや見た目などの仕上がりに不具合がでてしまうことがあります。治療を開始できない期間は、隣にある歯を利用して仮歯や入れ歯などで一時的に補う傾向にあります。
>>インプラント治療が受けられない時期 ~こどもと妊婦~
70歳以上の方
厳密な年齢制限はありませんが、全身疾患などがあり治療に耐える体力がない、将来寝たきりになる可能性がありインプラント治療後のメインテナンスが難しくなる場合はインプラント治療を避けることが一般的です。
【インプラント治療ができない理由】
インプラント治療は、インプラント体を顎の骨に埋め入れることが必要で、歯茎を切って顎の骨を削る外科手術が必要です。高齢者の多くは骨代謝が低下しており、身体の治癒能力の低下がみられます。健康状態に問題がある状態で治療を進めると、治療中や治療後に埋め入れたインプラントや身体に何らかのトラブルが起こりやすいことが考えられます。
【例】
・外科手術に耐えることができないような健康状態
・著しい知能の低下がみられる
・手の運動機能に問題がられる
(したがって、精密検査をして特に問題がなければ、年齢に関わらずインプラント治療を受けられることもあります。)
治療を受けられるかどうかの判断は、歯科医師の見解によって異なることもあります。提示された診断に迷いや不安があれば、他の歯科医師の意見を聞く「セカンドオピニオン」を活用されるとよいでしょう。
>>セカンドオピニオンとは
記事監修
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。