■目次
歯周病とはどんな病気でしょう
歯周病は、実は大変怖い病気で、痛みがなくジワジワと進行していきます。気が付いた時には歯がグラグラ。抜歯をしなければならないというケースも稀ではありません。そしてなんと、40歳以上の日本人の90%以上がこの歯周病にかかっていると言われています。
多くの人は、「歯は歯茎に支えられている」とお考えではないでしょうか。しかし、実際には歯は歯槽骨[しそうこつ]という骨に支えられています。この歯槽骨が細菌により溶けてしまう病気が歯周病なのです。歯を支えている骨が無くなってしまうと、歯は支えを失って抜けてしまいます。
歯周病の進行状態
【1】健康な歯肉
健康な歯肉には、ステップリング(みかんの皮の表面の小さなくぼみのような状態)が見られます。写真は、サンゴ色、またはピンク色でひきしまって弾力性があります。
【2】歯肉炎
歯のつけ根の表面に、プラーク(歯垢)がたまり、歯の周囲や歯と歯の間に炎症が起こります。ブラッシングした時や、固いものを食べると、出血することがあります。これくらいではまだ痛みもあまりありません。
【3】歯周炎
プラークが歯石になり大きくなると、歯根膜が溶けて歯肉溝(歯の表面と歯茎の境にある溝)の中にも広がってきます。歯肉溝はだんだん深くなり、歯肉の弾力性がなくなって、歯周ポケットと呼ばれる空間ができます。炎症も進
【4】重度歯周炎
炎症が進むと歯周ポケットがさらに深くなり、歯槽骨がほとんど破壊され、歯がぐらつき歯の根も見えてきます。出血や口臭も強くなり常時膿[ウミ]がでるようになります。
PHOTO 歯周病の進行と口腔内写真
健康な歯肉
歯周病の歯肉
健康な歯槽骨
歯周病で破壊された歯槽骨
健康な歯槽骨
歯周病で破壊された歯槽骨
歯周病チェックリスト
歯周病は次のような症状が現れます。あなたには当てはまるものがありますか?
●歯ぐきから血や膿が出る
●口臭がすると指摘された
●朝、口がネバネバする
●歯が浮いた感じがする
●歯磨きの時、歯ぐきが痛い
●歯ぐきが腫れる
●歯がぐらぐら動く
●歯と歯の間に物がよくはさまる
●歯ぐきが下がり、歯がしみる
●硬いものが咬みにくくなった
歯周病の予防
歯周病は一度進行してしまった状態を全く元に戻すことは困難ですが、ブラッシングで進行を止め、予防することができます。
しかし、正しいブラッシングができている方は大変少なく、歯科医院で教わるブラッシング方法は「今までのやり方と全く違う!」と驚かれる方も多いと思います。正しいブラッシング方法を身につけ口の中から汚れをしっかり除去することがとても大切です。
歯を失った原因が歯周病である場合は、インプラント治療を行ったあともケアが特に重要です。
実はインプラントも、歯が歯周病になるのと同じような症状になったり、咬み合わせが悪くなったりする場合があります。
自分の歯と同じような毎日の手入れをしっかり行うだけでなく、長持ちさせるために3~6ヶ月に一度は定期健診を受けられることをお勧めいたします。