IDEM シンガポール 2018 視察レポート

2018年4月13日(金)から15日(日)まで「IDEM シンガポール 2018」が開催されました。IDEMは2年に1回シンガポールで行われているアジア太平洋地域で規模的に大きな歯科デンタルショーです。
2000年にスタートしたIDEMは今回で10回目となり、13日、14日の企業ブースの様子を紹介します。

IDEM シンガポール 2018 視察レポート

会場は「サンテック・シンガポール国際会議展示センター(Suntec Singapore International Convention and Exhibition Centre)」で、シンガポールの中心街マリーナ地区にあるコンベンションセンターです。ショッピングモールが連結しており、会場周辺は子どもからお年寄りまで多くの人でにぎわっていました。

IDEM シンガポール 2018 視察レポート

今回企業メーカーの展示会場となったのは、サンテック・シンガポール国際会議展示センターの4階と6階で、2フロアに分かれていました。

各フロア内は各国によってブースが分かれており、38ヵ国もの企業やメーカーが出展していました。日本未発売のものや、これから発売されるもの、海外では多くシェアされているものなど、さまざまな機器や材料を発見できました。

開催地:シンガポールマリーナ地区について

開催地:シンガポールマリーナ地区について

シンガポールはマレーシア半島の南部に位置しており、赤道直下の国なので年間を通し高温多湿です。今回の開催地であるマリーナ地区は、シンガポールの中でも多くの観光スポットがある中心都市です。多くのショップやレストラン街などがあり、有名な「マーライオン像」や屋上にプールがあることで知られている「マリーナベイサンズ」もあります。

注目を集めたメーカー・企業

Nobel Biocare

Nobel Biocare

ノーベルバイオケアのブースでは、日本で来年度に発売予定のインプラント体を紹介していました。こちらは3本のインプラントで歯列全体を支えます。中心に通っているチタンバーにより安定し修復作業が簡単になり、治療時間の短縮とコストを抑える事ができるそうです。顎模型を使用してインプラント埋め入れのデモンストレーションで説明を行っていました。

straumann

straumann

ストローマンではインプラントの上部構造を作製する3Dプリンタを紹介していました。こちらは効率的な生産に焦点を当、5軸方向からの削り出しができ、乾燥した粉砕可能なブロックをすべて処理することができます。

3Shape

3Shape

3shapeからは口腔内スキャナを紹介していました。コードレスで、患者さんがモニタを見ることができることです。スキャニングした口腔内の画像を使用して、自分の歯で治療前後のシミュレーションをしたり、セットされるクラウンのイメージを患者さんと一緒に見たりすることができます。モニタを見ながら治療説明もしやすくなりそうです。

Colgate

Colgate

海外で多く使用されている歯磨き粉メーカーであるコルゲートでは、歯周病や知覚過敏の方へ向けたマウスウォッシュや歯磨き粉を紹介していました。マウスウォッシュは12時間まで細菌から歯を守ってくれる性能があるという説明でした。

2018年の歯科材料・デジタル機器の紹介

Dentsply Sirona

Dentsply Sirona

iPadと連動して使用できる根幹を治療するモーターとファイルを紹介していました。コードレスで患者さんに使用した記録が管理でき、iPadを用いての説明にも使用できます。ニッケルチタン製のファイルには柔軟性があり、根幹治療中の先端部分の破折が減ったそうです。

GC

GC

GCはコンポジットレジンを紹介していました。従来の保険のブリッジは銀歯しか選択できませんでしたが、紹介していたコンポジットレジンは強度があるため、公的医療保険でのレジンブリッジにも対応しています。

KAVO

KAVO

こちらは3D技術を駆使し、インプラントの治療計画、外傷の診断、顎顔面の外科手術など、診療用途に合わせて部分的にレントゲン撮影ができるようになっています。また、口腔内に金属が入っていても金属の光が反射して見えにくくなることがなく、鮮明な画像を映し出すことが可能です。

予防歯科製品の紹介

PHILIPS

TePe

PHILIPSでは自社製品の電動歯ブラシを使用し、専用のアプリと連動して歯を磨くことのできるブースがありました。こちらは、画面で磨けた歯型は色が変わっていく仕組みで、最後にきちんと磨けているかどうかを教えてくれます。自分で磨き残しがあるのかが分かるので楽しく磨けました。

TePe

TePe

歯ブラシメーカーのTePeの商品は熱を加えると曲げ、角度を付けられるようになっていますが、写真の新製品である歯ブラシは、熱を加えなくても写真のように大きく曲がるようになっています。
自分で磨きやすい角度をつけられるので、歯磨きがしやすくなりそうです。

その他、ユニークな製品の紹介

Tri Hawk

Tri Hawk

カナダのTri Hawkという企業では、切削バーを動画で紹介していました。動画では瞬く間にクラウンにバーが入り、切り込める様子がよく分かりました。切れ味がとても良いため、クラウンを外すときに患者さんへの負担が少ないそうです。

IDEMシンガポールに参加して

IDEMシンガポールに参加して

今回IDEMシンガポールに参加し、歯科業界でも著しくデジタル化が進んでいると強く感じた二日間でした。どのメーカーもさまざまなデジタルを巧みに扱っており、特にスマートフォンやタブレットなどの患者さんと連動する製品が多く、患者さんも納得して理解しながらの治療が進められると思いました。今後も歯科業界を発展させる機能や仕組みの製品がでてくるのではないでしょうか。

レポート:インプラントネット運営部