差し歯ってどんな治療?インプラントの違いとは
インプラントと差し歯はよく似た治療ですが、この2つには大きな違いがあります。こちらのページでは、差し歯の治療について解説します。また、差し歯に使われる被せ物にはどんな種類があるかなどをご紹介します。
更新日:2021/12/06
■目次
差し歯とは
よく誤解される事がある、インプラントと差し歯の違いについてご説明いたします。
歯の根っこを利用した被せ物
一般に差し歯と呼ばれているのは、歯の根っこに人工の歯のついた金属の土台を埋め込んだものです。
インプラントが金属(チタン)の歯根を骨の中に埋め込むのに対して、差し歯は歯の根っこに金属の土台を埋め込みます。
差し歯は、歯の上の部分だけがなくなったときにできる処置です。
たまに「歯を抜いた所を差し歯にしてもらおうと思ったのですが…」と相談に来られる患者さんがいらっしゃるのですが、差し歯というのは、最低でも根が残っている状態でないと出来ません。残っている根や歯の一部に“差し込む”から、差し歯なのです。
ですから、根も含めて、歯そのもの全てを抜いてしまったら、差し込む所が無いので、差し歯に出来ないのです。歯を抜いた所は、1ヶ月ほど経つと穴が無くなって、歯肉だけのいわゆる“土手”になります。そういった場合は、インプラント治療を行います。
また、差し歯とインプラント治療の大きな違いとして、差し歯は公的医療保険が適用できるのに対し、インプラントは基本的に自由診療であることもあります。
差し歯は種類があるの?
差し歯などの被せ物には、色々な種類があります。
「前歯を白い差し歯にする際、保険と自費があると言われました。」などという患者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
保険診療の場合は、白い部分が「硬質レジン」という材質で出来たものを使用します。レジンというのは、プラスチックの一種で、「硬質プラスチック」といったニュアンスのものです。
自由診療の方は、お茶碗などの陶磁器と同じ「陶材(セラミック)」で出来ています。どちらにも、メリットとリスクがあります。
差し歯の種類【保険診療(レジン)】
金属の被せ物ですが、表面に硬質レジン(プラスチック)を貼り付けて白くみせるものです。保険の適応範囲は前歯・犬歯のみなので、奥歯には適応されません。
メリット
・要はプラスチックですので、噛む時の衝撃を受けると、微妙に変形してくれるので割れにくい。
・保険が適用されるので費用を抑えられる。
リスク
・長年使用していると、歯ブラシなどにより、だんだん削れてくる。
・長年使用していると、少し黄ばんで来る。
・金属アレルギーのある方、またはアレルギーに不安のある方は不向きです。
その他、保険診療では、すべて金属で出来た被せ物(いわゆる「銀歯」と呼ばれるもの)もあります。
差し歯の種類【自由診療(セラミック)】
金属の被せ物に、セラミックを焼きつけて白くみせるものです。インプラント治療でも使用されます。
メリット
・要は陶磁器ですので、 長年使用しても、歯ブラシ程度では、削れてこない。
リスク
・お茶碗などと同じく、“硬いが脆い”という特性がありますので、噛んだ時の衝撃に、ある程度までは耐えてくれるが、限界を超えた瞬間に割れる可能性がある。
その他、通常金属でできている土台の部分も全てセラミックでできた被せ物(オールセラミッククラウン)や、ブラスチックとセラミックの中間の素材でできたハイブリッドセラミッククラウンなどがあります。
被せ物には様々なタイプがありますが、患者様のお口の状態や御希望によって、どれが患者様にとって一番良いかを歯科医師としっかりとご相談されることが大切です。
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