色々あるインプラントの手術法
インプラント総合サイトです。歯科インプラントに関する治療説明『色々あるインプラントの手術法』についてご紹介します。歯を失ってお困りの方、入れ歯・ブリッジが合わない方は是非ご覧下さい。
更新日:2019/09/25
■目次
インプラント治療の種類
インプラント治療には、手術が2回行われる治療法と、1回行われる治療法があります。
手術が2回ある場合を2回法、1回の場合を1回法と呼びます。
2回法と1回法の違いは?
■ 2回法
手術を2回行う治療法です。
1回目の手術では、歯肉を切開し、顎の骨から歯肉を剥離してインプラント体を顎の骨に埋入する手術を行います。その後、カバースクリュー(インプラント体の頭を保護するフタ)をセットし、インプラント体を覆い隠すように歯肉を元の通りに縫合します。そして、インプラントと骨が結合するまで安静にして治癒期間を待ちます。治癒期間は顎の骨の状態によって異なりますが、おおよそ下記の通りです。
・上顎 4ヶ月から6ヶ月(最近では1.5ヶ月から4ヶ月くらい)
・下顎 3ヶ月から4ヶ月(最近では1ヶ月から3ヶ月)
また、骨の量が足りないために骨造成手術をインプラント埋入と同時に行った場合は、約6ヶ月ほどしっかりと治癒期間をおきます。
治癒期間が終了したら、2回目の手術を行います。2回目の手術では歯肉を切開、または丸くパンチング(丸い穴を開ける)して、インプラント体の頭を出し、カバースクリューを取りはずして、治癒用のアバットメント(人工歯の支台となる部分)を取り付けます。(この時に正式なアバットメントを取り付ける場合もあります。) 歯肉が治癒したら印象を採り(型を採る)、正式なアバットメントをインプラント体に取り付けます。そして、アバットメントに補綴物(人工の歯)を装着することになります。
このように2回に分けて手術をするため、2回法と呼ばれています。
■ 1回法
1回法では、手術は1回のみ行います。
1回の手術で、顎の骨の中にインプラント体を埋め込み、同時にアバットメントあるいは治癒用の仮のアバットメントをインプラント体に取り付けてしまう方法です。この際、アバットメントは歯肉の外に出た状態にするため、再度歯肉を切開する手術は必要ありません。つまり、患者様への体の負担を小さくすることができます。
しかし、この治療法を選択するには、インプラントを埋め込む顎の骨が骨幅・骨質共にしっかりしていることが重要です。また、骨移植・GBRなどの骨造成の手術をされる方、サイナスリフトをされる方は感染の可能性を避けるため、2回法手術となります。
一回法も2種類ある
1回法には、さらに即時負荷と遅延負荷という2つの方法があります。
■ 1回法・即時負荷
インプラントの埋入手術の直後(手術当日)に、治癒期間を置くことなく、すぐに仮歯や最終的な補綴物(人工歯)を装着する方法です。
この方法が適応されるには、下記のような条件が必要です。
・インプラント埋入部位の骨量と骨質が良好なこと
・インプラント埋入時に高い初期固定が得られること
・口の中の衛生状態が良好であること
・全身の健康状態が良好であること
・インプラント埋入部位に病変が認められないこと
・インプラント埋入部位、及び近くの歯やその周りの歯肉などに病変がないこと
・噛み合わせが良好で安定していること
・歯ぎしりや、くいしばりなどがないこと
■ 1回法・遅延負荷
インプラント埋入手術時に、人工歯の装着までは行いませんが、アバットメントや治癒用の仮のアバットメントの装着までを行う、一回法の一般的な方法です。(インプラントとアバットメントが1体となっているタイプ<1ピース型>のインプラントを使用することもあります。)
歯肉からアバットメントが出ている状態で治癒期間を待ち、補綴物(人工の歯)を装着します。
治癒期間の間はインプラントを入れた部分で噛むことはできません。
1回法と2回法、どちらがいい?
1回法のメリットとして、手術は1回で済むため、患者様の体を傷付ける回数が少なくてすむという点があります。また、1回法・即時負荷では、手術のその日のうちに歯を手にいれることができるため、「歯の無い期間があると困る」という方には有効は方法です。
ただし、1回法は、すべてのケースにおいて選択できる治療法ではありません。骨の質が良好でない場合や骨造成を伴う場合は、2回法の方が良いと言われています。
2回法は、手術が2回必要となってしまいますが、ほとんどすべてのケースで適用されます。インプラント骨の下に埋め込み、歯肉を閉じてしっかりと治癒期間を待つため、感染の可能性が低いとされています。多くの場合、骨造成の治療を行う場合には2回法を選択します。
つまり、どちらかが優れた治療法というわけではなく、どちらの方法が良いかということは、患者様のお口の状態によって異ってきます。
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