インプラント被せ物を種類別でご紹介【前歯・奥歯】
虫歯が進行している場合、クラウン(歯の被せ物)を使った治療が行われる可能性があります。多くの場合、その場でクラウンの種類を選択する必要があるため「提案されるままクラウンを選ぶことにならないか不安」「自分に合ったクラウンをちゃんと選べるか心配」といった方も多いのではないでしょうか。
この記事では、クラウンの種類とそれぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。ご自身に合ったクラウンを選択できるように、事前に特徴を知っておきましょう。
更新日:2024/09/16
■目次
クラウンとは?
虫歯治療では、歯を削った部分を修復するためにクラウンを被せることがあります。クラウンとは歯全体を覆う人工の歯です。虫歯によって歯の大部分が失われた場合などに用いられます。一般的には、歯の神経を取った後の歯の中にコアとよばれる土台を差し込み、上からクラウンを被せます。
クラウンの種類
クラウンにはさまざまな種類があり、公的医療保険適用の有無も異なります。代表的なクラウンとその特徴を解説します。
金属冠(銀歯)
全体が金属でできているクラウンです。主に奥歯に用いられます。いわゆる「銀歯」は公的医療保険適用となりますが、金属のなかでも金合金(金歯)などの材料を選択した場合は公的医療保険適用外となります。
金属冠(銀歯)のメリット
金属は強度に優れているため、大きな負荷がかかる奥歯にも使用できます。また、銀歯であれば公的医療保険適用となるため、治療費の負担を抑えられます。
金属冠(銀歯)デメリット
全体が金属でできているため、周りの歯と比べて目立ちやすいといえます。また、装着を続けていると、金属イオンが溶け出して金属アレルギーを発症したり、歯肉の黒ずみを引き起こしたりする場合があります。
メタルボンドクラウン
金属の表面にセラミックを焼き付けたクラウンです。「陶材焼き付け冠」ともよばれます。見た目は天然歯のように白いため、前歯部(前から1~3番目の歯)や小臼歯部(前から4~5番目の歯)にも用いられます。公的医療保険適用外です。
メタルボンドクラウンのメリット
表面はセラミックのため、天然歯に近い自然な見た目に仕上がります。経年による変色もしにくいです。内側は金属のため強度にも優れている点が特徴です。
メタルボンドクラウンのデメリット
中身は金属のため、金属アレルギーや歯肉の黒ずみが引き起こされる可能性があります。また、歯の裏側は金属が見えてしまうなど、審美性について気になる点もあります。そのほか、公的医療保険適用外のため治療費が高くなる傾向があります。
硬質レジン前装冠
金属の表面にレジン(歯科用プラスチック)を貼り付けたクラウンです。周りの歯に近い見た目に仕上がります。前歯部に用いる場合は公的医療保険適用となります。
硬質レジン前装冠のメリット
表面にレジンを貼り付けるため、周りの歯と似たような色味にできます。中身は金属のため、強度に優れていてほとんどの歯に適応できます。
また、前歯部の治療であれば公的医療保険適用となる点もメリットです。同じ公的医療保険適用の銀歯よりも審美性に優れています。
硬質レジン前装冠のデメリット
レジンは柔らかく吸水性があるため、使用し続けるとすり減りや変色が起こります。そして、歯の裏側は覆われていないため、金属が見えてしまいます。
また、レジンだけを使ってクラウンを作ると強度が足りないため、金属と組み合わせていますが、これによって金属アレルギーや歯肉の黒ずみを引き起こす可能性があります。見た目は自由診療適用の被せ物に劣ります。
奥歯に使用する場合には公的医療保険適用外です。
レジンジャケットクラウン
すべてレジンという歯科用プラスチックでできたクラウンです。前歯部と小臼歯部の治療に適応できますが、強度に劣るためあまり使われません。
レジンジャケットクラウンのメリット
全体が白色で周りの歯に馴染みやすく、審美性に優れています。また、前歯部だけでなく、小臼歯部に使用した場合も公的医療保険適用となります。小臼歯部を公的医療保険適用の白い歯にできるのはレジンジャケットクラウンのみです。金属アレルギーなどの心配もありません。
デメリットのデメリット
金属を含まず、すべてプラスチックでできているため割れやすい点には注意が必要です。破損した場合、治療から2年以内の再作製は公的医療保険適用外となります。また、レジンは柔らかく吸水性があるため、徐々に黄ばんできます。見た目は自由診療適用の被せ物に劣ります。
オールセラミッククラウン
すべてセラミックでできたクラウンです。天然歯に近い見た目を再現可能で、レジンよりも強度に優れています。主に前歯部や小臼歯部に用いられます。
オールセラミッククラウンのメリット
セラミックは透明感があり、色味も周りの歯に合わせることが可能です。歯全体を天然歯のような見た目に仕上げられるうえに、変色もしにくい点が特徴です。また、金属を含まないため、金属アレルギーや歯肉の黒ずみが起こることはありません。
セラミックとは別にジルコニアという材料を使えば、硬度が増し奥歯にも適応できます。
オールセラミッククラウンのデメリット
公的医療保険適用外となり、治療費が高くなりやすいです。また、臨床実績がまだ少なく、長期間使用した場合の強度や耐久性については不明な点があります。
ゴールドクラウン(金歯)
金合金を使用したクラウンです。いわゆる金歯で、強度に優れています。
ゴールドクラウンのメリット
強度に優れているため、負荷がかかりやすい奥歯にも使用可能です。適度に柔らかい点も特徴で、噛み合わせの歯を傷つける心配もありません。
また、金は薄く伸びる性質があり、天然歯との隙間を埋めてくれます。このため、虫歯の再発が起こりにくいといえます。そのほか、金はお口の中に溶出しにくくアレルギー反応が起こりにくい材料です。
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